パラコート急性中毒による肝,腎障害の一例
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概要
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自殺企図により除草剤パラコートを服用し,肝・腎障害を来たしたものの,幸い救命しえた一例を経験したので報告する.患者は22歳の男性で,同薬剤服用後6日目に黄疸が出現し,GOT, GPT, Al-Pase, LAP等の上昇をみた.腎機能検査では,PSP 2時間排泄率の低下,濃縮試験で濃縮力の低下が著明で,尿細管機能障害が考えられた.胸部レ線では全経過を通じて肺線維症の所見はみられなかった.MIF試験は陰性であった.腹腔鏡下肝生検による肝組織所見では,小葉中心帯を中心とした肝細胞の脂肪化と壊死が認められ,またグリソン氏鞘に軽度の細胞浸潤がみられた.小葉内への好中球,好酸球の浸潤はみられなかった.この肝障害はパラコートによる中毒性の障害と考えられた.
- 社団法人 日本肝臓学会の論文
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