vibrio vulnificus感染症の検討 : 特に臨床的特徴と肝疾患との関連について
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概要
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肝硬変患者にみられたVibrio Vttlnificus感染症の自験例3例と,本邦での報告例を合わせ,計46例について,その臨床的特徴,肝疾患との関連などを検討した.原発性敗血症型38例,創傷感染型2例,感染源不明6例の計46例であった.男性40例,女性6例で,年齢は33歳から73歳(平均57.4±1.1歳)であった.発症は6月から10月に限られ,44例は東京以西に発症していた.基礎疾患として,93.5%と極めて高率に肝疾患を有し,特に肝硬変例が多く,また,肝疾患の中の41.9%はアルコール性ないし大酒家であった.消化器症状は67.4%に,紅斑,水庖,蜂窩織炎などの皮膚症状は87.0%と高率に認め,死亡率は65.2%と予後不良であった.肝硬変患者は,しばしば消化管出血,動静脈シャント形成,肝内網内系の機能低下,鉄過剰状態などをきたすため,本感染症の成立を容易にする宿主であると考えられた.
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