肝細胞癌に対する動脈塞栓療法施行例の予後に及ぼす因子の検討
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概要
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Transcatheter arterial embolizationを施行した肝細胞癌41例のうち,長期生存例(術後1年以上生存)と短期死亡例(術後2ヵ月以内死亡)の2群について,肝機能検査,血清AFP,腫瘍占拠率,門脈腫瘍浸潤,門脈圧亢進所見を指標として両群間の比較検討を行なった.(1)術前の主な肝機能検査では短期死亡群のSGOTは高値(p<0.05)であり,その他の肝機能検査値は両群間に有意差はなかった.(2)術後のSGPTの上昇及びChEの低下は長期生存群の方が有意に軽度であり(共にp<0.05), ALPは長期生存群の大多数が術後減少したのに比し,短期死亡群は全例上昇しその差は有意であった(p<0.02). (3)血清AFPは特に長期生存群において低下が顕著であった.(4)腫瘍占拠率50%以下及び2次分枝以下の門脈腫瘍浸潤例は予後良好であった.(5)門脈圧亢進所見のうち特に腹水貯留例の予後は不良である傾向を認めたが長期生存例も存在した.(6)本法施行41症例の累積1年生存率は約48%であり,良好な成績を示した.
- 社団法人 日本肝臓学会の論文
著者
-
佐藤 守男
大阪市立大
-
中村 健治
大阪市立大学 放射線医
-
門奈 丈之
大阪市立大学
-
中塚 春樹
大阪市立大学 放射線
-
山本 祐夫
大阪市立大石井内科
-
Yamada Ryusaku
Department Of Radiology Osaka City University School
-
小林 伸行
大阪市立大学放射線科
-
山田 龍作
大阪市立大学放射線医学教室
-
山田 龍作
大阪市立大学
-
丸毛 俊明
大阪市立大学医学部第3内科
-
貫野 徹
大阪市立大学医学部第3内科
-
井本 正巳
大阪市立大学第3内科
-
山本 祐夫
大阪市立大学医学部,第三内科学教室
-
山本 祐夫
大阪市立大学
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