良性反復性肝内胆汁うっ滞症の1例
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
3年間に3回強い掻痒を伴う黄疸発作を繰り返した,良性反復性肝内胆汁うっ滞症(benign recurrent intrahepatic cholestasis)を経験した.本症に合併症の報告は少ないが,本例では,黄疸発作期に限り,二次性糖尿病となり,インスリン治療を要した.<BR>発黄極期の肝は,小葉中心性の胆汁栓が目立つが,肝細胞内の胆汁沈着は少なく,肝細胞壊死,炎症性細胞浸潤はほとんど認めなかった.グ鞘には,軽度の小円形細胞浸潤を認める.いずれの病期においても,胆管の増生,変性や,線維増生はなかった.<BR>黄疸期の電顕では,毛細胆管の数の増加が著明で,内腔に胆汁物質の充満が見られた.一方,肝細胞内に胆汁うっ滞を欠く事は,電顕レベルでも確認された.
著者
-
白澤 春之
浜松医科大学第2病理
-
白澤 春之
浜松医科大学病理学教室
-
林 久男
名古屋大学
-
加藤 庄志
名古屋大学医学部第3内科
-
李 道夫
名古屋大学医学部第3内科
-
鮫島 庸一
名古屋大学第3内科
-
川部 正己
蒲郡市民病院内科
-
鮫島 庸一
名古屋大学医学部第3内科
-
白澤 春之
浜松医科大学医学部病理学第2講座
関連論文
- 示-105 Endobronchial metastasisをきたした皮膚基底細胞癌の2例
- 28)劇症肝炎様急性肝不全を呈した大動脈弁狭窄兼閉鎖不全症の1例 : 日本循環器学会第53回東海・第38回北陸合同地方会
- 長年にわたり多彩な不整脈を呈したmyotonic dystrophyの一剖検例
- 118.子宮頸部Ib期(5mm以下)10症例の臨床細胞学的検討 : Ia期との比較検討 : 特に基底膜の微小断裂像について(婦人科20: 子宮頸部, 一般講演・口演, 第30回日本臨床細胞学会総会・学術集会)
- 伝統草薬処方剤中の腎障害抑制成分の分離とマウスの実験的糸球体障害に対する抑制効果
- 87.子宮頸部粘表皮癌の一例(婦人科24, 一般講演, 第25回日本臨床細胞学会総会記事)
- 伝統草葉処方剤(P-3)を用いた家畜の尿石症の治療例(短報)
- 腎障害牛における腎微小血管像影と病理組織所見との関連
- 献血を契機に発見された無症候性Wilson病の1例
- 実験的ラット脂肪肝の浮遊脂質における電子顕微鏡的分析
- 良性反復性肝内胆汁うっ滞症の1例
- 肝リポフスチン沈着症の4例
- 肝細胞lysosomesの超微形態的研究
- Dubin-Johnson症候群にみられる顆粒の電子顕微鏡的研究
- 慢性肝炎活動型のリンパ球細胞障害に対する阻止反応
- ヒト肝細胞ライソゾームに同定された銅および鉄とそれらの臨床的意義
- Lipolysosomeと家兎コレステロール肝障害
- 乙型肝硬変症・原発性肝癌・胃潰瘍を合併した多発性肝-腎嚢胞症の一剖検例
- 慢性肝炎患者の末梢血リンパ球およびそのseparated lymphocyteのChang肝細胞に対する細胞障害性の検討
- 著明な顔面変形と咬合異常をきたした下顎頭部骨軟骨腫の1例
- A case of asymptomatic primary sclerosing cholangitis treated by ursodeoxycholic acid.
- Tuberculosis of the submaxillary salivary gland and lymph nodes in the submaxillary region.
- A case of primary biliary cirrhosis. - 4 years' treatment with 300mg/day ursodeoxycholic acid.
- 原発性硬化性胆管炎の1例-ウルソデオキシコール酸療法の有効性と限界-
- Wilson's disease. Two clinicopathological features with different prognosis.
- A case of pernicious anemia complicated with multiple gastric carcinoids.