がん体験者のレジリエンスの概念分析
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概要
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【目 的】 本研究の目的は, 主として欧米で用いられているレジリエンスという概念のがん看護領域での用いられ方, およびレジリエンスの構成要素を明らかにすることである. 【方 法】 Rodgers (2000) の概念分析アプローチを参考とした. 収集したデータは, 質的に内容分析を行い, レジリエンスの構成概念を明らかにし, 定義とモデルケースを案出した. 【結 果】 がん体験者のレジリエンスの属性は「肯定的変容の促進」, 「対処戦略」であった. 先行因子は「がんに関連したストレッサー」, 「内なる強さ」, 「個人を取り巻く環境」であった. 帰結として, 「肯定的な適応」, 「well-beingの獲得」, 「QOLの向上」, 「エンパワーメントを高める」が導かれた. 【結 論】 がん体験者のレジリエンスは, 『的確な自己認識と, 自己受容力の意識化のもと, 肯定的な感覚を高めることで前向きな意味づけを行い, 信念や確信を得ることにより, がん体験者の肯定的変容を促進する. そして対処戦略を見出すことで自己統制を行い, がんを受容し, QOL向上やエンパワーメントを高め, well-beingを獲得して, 適応に向かうダイナミックなプロセスである』と定義した. がん治療の高度化, 長期化に伴い, がん体験者がその人らしく生きられるように支援していくことの重要性は高まることが予測されるため, 今後の看護実践への活用性は期待できると考える.
著者
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二渡 玉江
群馬大学医学部保健学科
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二渡 玉江
群馬大学大学院医学系研究科保健学専攻
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二渡 玉江
群馬大学 大学院医学系研究科保健学専攻
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砂賀 道子
高崎健康福祉大学看護学部
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二渡 玉江
群馬大学大学院保健学研究科
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砂賀 道子
高崎健康福祉大学保健医療学部看護学科
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