Josamycinによると思われる肝内胆汁うっ滞の2症例
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概要
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我々は最近,Josamycinによると思われる肝内胆汁うっ滞症の2例を経験した.症例1は16歳,症例2は25歳で,ともに女性である.2症例ともに,Josamycinを数日間服用後に,全身倦怠感,食思不振を訴え,その後掻痒感と黄疸をきたした.2例ともJosamycin以外には胆汁うっ滞を起すと考えられる薬物は服用していない.肝機能検査では血清ビリルビン(直接型),コレステロール,アルカリフォスファターゼの著明な上昇がみられたが,トランスアミラーゼは終始200単位以下であった.肝生検像では,胆栓以外に著明な実質組織の変化はみられなかったが,門脈領域では軽度の線維増殖と細胞浸潤とを認めた.両者とも約40日で黄疸は消失し,以後良好な経過で治癒した.なお,治癒後に行なったJM添加時のリンパ球ブラスト化試験は陽性を呈した.これらの2例は,Josamycinもまた,肝内胆汁うっ滞症の原因となりうることを示唆している.
- 社団法人 日本肝臓学会の論文
著者
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中村 泰清
大阪医科大原内科
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筧 紘一
大阪医科大学第一内科
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清水 修
大阪医科大学第1内科学教室
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小橋 泰之
大阪医科大学 第1内科
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大林 明
大阪医科大学 第1内科
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筧 紘一
大阪医科大医化学
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清水 修
大阪医科大学 第1内科
-
筧 紘一
大阪医科大学 第1内科
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