TaN薄膜素子を用いたピラニ型真空計の試作
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概要
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以上, 薄膜であるため有効放熱表面積が大きく, 小型で高いTCRを持ち, 動作抵抗値が数百Ω〜数kΩの測定上適切な値であるという長所を持った窒化タンタル薄膜を用いたピラニ型真空計の圧力特性を検討した.その結果, 素子からの気体による熱伝導は0.01 Torr以下の圧力範囲でKnudse塗の式に従う.1 Torr似上では素子からの気体による熱伝導の圧力に対する変化率は小さくなるが10Torr以上で対流の効果が表われる.素子をホィートストンブリッジに組み込んで測定する場合は, TaN薄膜素子は負のTCRを持っているため, ブリッジ抵抗比 (<I>R</I>/<I>R</I>) が大きい程, 圧力の測定領域は広くできる.<I>R</I>/<I>R</I>=10の場合.3×10<SUP>-5</SUP>Torrと1 Torrで素子の温度が150℃になり, ブリッジ出力が0Vになるようにブリッジ供給定電圧を設定すれば, ブリッジ出力は7×10<SUP>-5</SUP>〜760Torrの圧力範囲で圧力に対して感度を示し, 大気圧から電離真空計の測定領域まで真空度測定できることが分った.素子からの熱輻射による熱損失と素子のリード線からの熱伝導による端損失の時間的漂動を抑制することにより, 高真空側での測定領域を更に拡張することが可能である.そのためにゲージ管壁の温度をコントロールする方法や, これら両熱損失の絶対値を小さくする方法が考えられるが検討中である.
- 日本真空協会の論文
著者
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塩山 忠義
大阪府工技研
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小川 倉一
大阪府立工業技術研究所
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滝口 勝美
大阪府立工業技術研究所
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塩山 忠義
大阪府立工業技術研究所電子部
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四谷 任
大阪府立工業技術研究所
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長谷川 泰一
元大阪府立工業技術研究所
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塩山 忠義
大阪府立工業技術研究所
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