位相幾何学的条件を利用した4成分共沸物の存在可能領域の縮小
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概要
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最近, 多成分気液平衡の推算精度が向上したため, 実測値を用いずに蒸留計算を行うことも可能であるが, 共沸物の有無およびその組成は, 蒸留プロセスのパラメータだけでなく構造を決定する重要な情報であるので, 実測により確かめる必要がある.<BR>しかし, 最低共沸, 最高共沸以外の多成分共沸組成を決定するには, 莫大な回数の気液平衡の測定を必要とする.たとえば, 3成分共沸組成を決定するには, 三角線図を網目状に分割し, 各格子点において気液平衡を測定するという方法が取られてきたので, 共沸組成をawt%の精度で求めるには, (100/<I>a</I>)<SUP>2</SUP>回のオーダの実験回数を必要とする.この方法を4成分系に適用して, 4成分共沸組成を<I>a</I>wt%の精度で求めるには, (100/<I>a</I>)<SUP>3</SUP>回のオータの実験回数を必要とする.<BR>前報では, 三角線図上の着目した領域内に3成分共沸組成が存在するかどうかを位相幾何学的条件に基づいた作図により判定する方法を提案し, これを利用することによって, (100/<I>a</I>) のオーダの実験回数により3成分共沸組成を<I>a</I>wt%の精度で決定することができることを示した.しかし, この方法をそのまま4成分系に拡張すると, 3次元的な作図を行わなければならないので, 本論文では, 着目する領域内の4成分共沸組成の有無を判定するためのアルゴリズムを提案し, これを利用すれば, (100/<I>a</I>)<SUP>2</SUP>のオーダの実験回数により<I>a</I>wt%の精度で4成分共沸組成を決定することができることを示し, Acetone-Methylacetate-Methanol-Hexan系を例に取ってその手順を示す.
- 社団法人 化学工学会の論文
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