Ogilvie症候群(Acute Colonic Pseudo-obstruction)の1例と本邦報告例の検討
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概要
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Ogilvie症候群の本邦での報告例は未だ少なく,1984年に著者らが本邦第1例を報告して以来未だ6例のみである.今回われわれは新たに経験した本症の1例を報告する.患者は62歳女性.主訴は腹痛と嘔吐.既往歴として30歳代にイレウスとして3度の手術と56歳時に根治的乳房切断術を受けている.約2カ月前より便秘傾向であったが,3日前より腹痛と嘔吐が加わったため当科へ入院した.腹部単純X線攝影で上行結腸から下行結腸にかけて著明な結腸の拡張を認めたが,直腸内には軟便はあるも糞塊はなく,小腸の拡張もなかった.Ogilvie症候群を疑い保存的治療を施行し軽快した.その後の注腸造影では結腸の器質的な閉塞性病変はないため本症と確診された.本症に対する認識が高まれば本邦でも本症の報告例が増えるものと考えられる.
著者
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山田 直樹
松波総合病院外科
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稲田 潔
松波総合病院
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加納 宣康
松波総合病院外科
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和田 英一
松波総合病院外科
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二村 直樹
松波総合病院外科
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斉藤 雅之
松波総合病院内科
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木村 友彦
松波総合病院内科
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五島 英一
松波総合病院内科
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松波 英一
松波総合病院
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吉村 能章
松波総合病院外科
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伊東 久男
松波総合病院放射線科
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