Morphine鎮痛に及ぼす延髄巨大細胞網様核破壊の影響
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概要
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ラット延髄傍巨大細胞網様核(NRPG)を含む巨大細胞網様核(NRGC)に少量のmorphine(Mor)を局所注入することによって鎮痛作用が発現し,そのED50は8.5ng/ratであった.そこで,NRPGを含むNRGC破壊のMor鎮痛に及ぼす影響について検討した.体重3009前後のラットを用い,DC,0.5mA,40秒間の通電によって両側性にNRGCを破壊した.手術直後の破壊の程度は,NRGC(NRPGを含む)の約30%であったが,術後日数の経過と共に破壊面積は縮少した.対照ラットでは,術後一過性に軽度の体重減少が認められたが,NRGCが正確に破壊された破壊ラットでは,術後急激な体重減少と以後の体重増加の抑制が認められた.しかし,破壊ラットに運動機能障害は認められなかった.Mor鎮痛作用の測定は,tailpinch法と後肢加圧法に従った.tailpinch法は鎮痛活性(AI)および鎮痛曲線下面積(AUA)を後肢加圧法は反応閾値の上昇度(IT)およびAUAを指標とした.コントロール疹痛閾値は,NRGC破壊によって影響を受けなかった.Mor5mg/kg,s.c.によるMor鎮痛は,tailpinch法(AIおよびAUA)および後肢加圧法(ITおよびAUA)共にNRGC破壊によって著明(P<0.Ol)に抑制された.偏位破壊ラットにおけるMor鎮痛の減弱は,破壊ラットにおけるよりも軽度であった.5,10および15mglkg,s.c.のMor鎮痛は,NRGC破壊によってほぼ同程度に抑制されたが,いずれの用量のMQr鎮痛にも完全抑制は認められなかった.対照および破壊ラットにおける種々用量によるMor鎮痛の経時変化は相似した.破壊面積の大きさとMor鎮痛減弱の強さの間には,tailpinch法および後肢加圧法共に,相関が認められ,破壊面積が広い程Mor鎮痛の抑制は増強された.以上,NRGC破壊によるMor鎮痛の抑制について明らかにした。
- 社団法人 日本薬理学会の論文
著者
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山本 博之
和歌山県立医科大学
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岸岡 史郎
和歌山県立医大薬理学教室
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岸岡 史郎
和歌山医大・薬理
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尾崎 昌宣
和歌山県立医科大学薬理学教室
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井口 賀之
和歌山県立医科大学薬理学教室
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山本 博之
和歌山県立医科大学薬理学教室
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