Ranitidine, Histamine H2-受容体拮抗薬,のイヌの胃液分泌に対する効果
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概要
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新しいhistamine H2-受容体拮抗薬, ranitidineのhistamine, pentagastrinおよびcarbachol刺激胃液分泌に対する効果を, Heidenhain pouch犬(雄性ビーグルおよび雑犬,計6匹)を使用して検討し, cimetidineの効果と比較した. 20時間絶食したイヌに, histamine 2HCl (40μg/kg), pentagastrin (2μg/kg) およびcarbachol (2μg/kg) を15分間隔に8回筋注し, 15分間に排出される胃液を採取し,胃液量,酸およびペプシン排出量を測定した. ranitidine (0.1, 0.3, 1および10mg/kg)およびcimetidine (1および10mg/kg)は,各種刺激薬投与60分前にgelatin capsuleに封入して経口投与した. ranitidineは用量依存的にhistamine, pentagastrinおよびcarbachol刺激胃液分泌を抑制し,その効果は投与後約3時間持続した. histamineおよびpentagastrin刺激による胃液分泌に対しては強力な効果を示した. cimetidineも同様に各種刺激薬による胃液分泌を抑制したが, histamine刺激分泌を十分に抑制する用量 (10mg/kg) では, pentagastrinおよびcarbachol刺激分泌に対して効果は弱かった. ranitidineのcimetidineに対する効力比を,各種刺激薬による胃液量,酸およびペプシン排出量に対する50%抑制量で比較し,以下の結果を得た. histamine刺激分泌: 5, 3.3および2.7倍, pentagastrin刺激分泌: 16.7, 10および10倍, carbachol刺摘分泌: 13.3, 2および4倍. ranitidine 10mg/kgを経口投与し, 8時間後よりpentagastrin刺激を行ない効力の持続を検討した結果, ranitidineは投与10時間後でも胃液分泌を著明に抑制することが判明した. cimetidine 10mg/kgでもかなり強い抑制を示したが, ranitidineに比較すると持続効果は弱いことが判明した.以上より, ranitidineはイヌにおいて胃液分泌の強力な抑制薬であり,また,作用の持続時間も長く,消化性潰瘍の治療薬には有用であることが示唆された.
- 社団法人 日本薬理学会の論文
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