Suloctidilの脳静脈血流出量に及ぼす作用
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
suloctidil (MY 103), cinnarizineならびにpapaverineの脳循環に及ぼす作用をgallamine不動化イヌを用いMichenfelderらのvenous outflow methodによって比較検討した.その結果, 1) MY 103, papaverine 0.1〜1.0mg/kgならびにcinnarizine 0.3, 1.0mg/kgを静脈内に投与するといずれの薬物も,用量依存性に上矢状洞静脈血流出量を増加させた.その作用強度はMY 103≥papaverine>cinnarizineの順であった. 2) これら三薬物による洞静脈血流出量の増加時には脳血管抵抗はいずれの用量によっても有意に低下した. 3) 平均動脈圧の下降度はpapaverine>MY 103>cinnarizineの順に強かった. 4) 洞静脈血流出量の増加時の動脈血液のpHならびに血液ガス組成はMY 103, papaverine各1mg/kgの静脈内投与により有意な影響を受けなかった. 5) MY 103ならびにpapaverineは脳静脈血液中の炭酸ガス分圧の下降と,酸素分圧の上昇を来す傾向がみられた. 6) 脳静脈血液中の酸素飽和度はMY 103によって平均12.3%の有意な増加を来し, papaverineでも11.2%増加しだ. 7) MY 103ならびにpapaverine共に脳酸素代謝率には有意な影響を及ぼさなかった.以上の結果からMY 103は血液ガス組成には著明な変化を及ぼすことなく脳血流量を増加させ,その程度はpapaverineおよびcinnarizineよりも強いと結論される.
- 社団法人 日本薬理学会の論文
著者
-
堀井 大治郎
(株)三菱化成安全科学研究所鹿島研究所
-
西 広吉
三菱化成工業 総研
-
西広 吉
三菱油化薬品(株)研究所
-
石橋 昭
三菱油化薬品(株)研究所
-
堀井 大治郎
三菱油化薬品(株)研究所
-
石橋 昭
三菱油化薬品 (株) 研究所
-
堀井 大治郎
三菱油化薬品 (株) 研究所
関連論文
- II-B-2 ニンジンエキスの抗ストレス作用;ストレス負荷マウスの免疫能への影響
- Suloctidilの脳機能保護作用
- 脳薄切切片標本の誘発電位に及ぼす低グルコース負荷の影響とこれに対するSuloctidilの効果
- Suloctidilの脳Hypoxia保護作用
- Suloctidilの中枢ならびに末梢神経系に及ぼす作用
- Suloctidilの脳静脈血流出量に及ぼす作用
- 抗高血圧薬Terazosinのαアドレナリン遮断作用
- 抗アレルギー薬MY-5116ならびに主要活性代謝物MY-1250の心臓血管系に及ぼす影響
- Suloctidilのイヌ末梢動脈血行動態に及ぼす作用
- Proscillaridin Aの強心作用について
- HomotraurineとHexamethoniumの諸種交感神経節における節遮断作用について
- ラット胸部大動脈のNorepinephrineならびにCaCl2収縮に及ぼすSuloctidilの作用
- 静脈内投与ならびに側脳室内微量注入時のTerazosin,PrazosinおよびClonidineのラット遠心性交感神経自発放電に及ぼす影響
- Bioavailability study of nicorandil before and after meals.