抗アレルギー薬MY-5116ならびに主要活性代謝物MY-1250の心臓血管系に及ぼす影響
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概要
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抗アレルギー薬MY-5116およびその主要活性代謝物であるMY-1250の心臓血管系に対する作用を,麻酔イヌを中心にDSCGと比較検討した.麻酔イヌおよび無麻酔・無拘束ラットでのMY-5116300 mg/kg経口投与では,血圧,心拍数に対し影響は認められなかった.麻酔イヌでの静脈内投与でMY-1250は3 μg/kg,DSCGは10 μg/kgから,用量依存性の血圧下降ならびに徐脈作用を発現し,呼吸運動に対しては両者とも一時的な呼吸数の抑制作用を示したが,心電図波形に対しては特に影響を与えなかった.MY-1250の10 μg/kgおよびDSCGの30 μg/kgを2〜3分間隔で静脈内投与すると,両薬物の血圧下降作用は著しく減弱した.このtachyphylaxisには,相互に交叉性が認められた.MY-1250およびDSCGによる血圧下降作用は,atropine処置により軽度に抑制されたが,両側迷走神経切断によりほぼ完全に消失した.麻酔イヌにおいてMY-1250は血圧下降を起す3 μg/kg静脈内投与から,総頸動脈血流量を減少させ,腎血流量を減少後増加,大腿動脈血流量を増加後減少という二相性変化を示した.これら各部位の血流量変化は,両側迷走神経切断によってほぼ完全に消失した.従って,MY-1250はDSCGと同様Bezold-Jarisch反射を介して心臓血管系の変化を誘発することが示唆された.MY-1250の10 μg/kg静脈内投与はイヌの瞬膜収縮に影響を及ぼさなかった.モルモット摘出心房標本においてMY-1250は10<SUP>-5</SUP>g/mlから収縮力の軽度増強を,10<SUP>-4</SUP>g/mlでは拍動数の軽度増強を認めた.これらの心臓興奮作用は,reserpine処置によって影響を受けなかった.ラット摘出血管標本においてMY-1250 10<SUP>-4</SUP> g/mlの前処置は,norepinephrineの収縮反応曲線に影響を与えなかった,以上のごとくMY-5116は300 mg/kg経口投与で心臓血管系に対する影響が認められず,その主代謝物MY-1250の心臓血管系に対する作用はDSCGの作用と極めて類似していることが判明した.
- 社団法人 日本薬理学会の論文
著者
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堀井 大治郎
(株)三菱化成安全科学研究所鹿島研究所
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西 広吉
三菱油化薬品(株)研究所薬理グループ
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堀井 大治郎
三菱油化薬品(株)研究所
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原 祐司
三菱油化薬品(株)研究所
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花塚 光男
三菱油化薬品(株)研究所
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西 広吉
三菱油化薬品(株)研究所
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