黄変ハム発生原因の研究
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概要
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工場で発生した黄変ハム断面の黄色部は,366nmの紫外光下で強い蛍光を発した.pH,水分,タンパク質含量,細菌数の分析結果では,黄変ハム黄変部と正常部,正常なハム,ならびに市販同等品の間に差は認められなかった.ヘム色素の分析においても,全ヘム色素含量,ニトロソヘム色素の吸収スペクトル共に異常はなく,ヘム色素は通常の発色状態を呈していた.黄変ハム発生との関連をいわれて来た種々の原因,すなわち塩せき肉の緑変,オーバー•アンダーキュアリング,PSE肉,ピックルの注入過剰などを検討した結果,実験の範囲内では関与を認めなかった.タンパク材として,pHを7.3に調整したホエータンパク粉(記号:WA),pH6.9のホエータンバク粉,WPI,ナトリウムカゼイン,大豆タンパク,卵白,糖質としてコーンシラップソリッド(CS),グルコース,糖アルコールを組み合せて14種類のピックルを作り,合計173回のハム試作を行なった結果,WAとCSの組み合せ,特に糖質としてCSを100%用いた場合に黄色と蛍光の発生率が高かった.この配合は,工場で黄変ハムが発生した時のピックル配合に相当し,かつ,メイラード反応発生の条件とも合致しているから,黄変の発生に同反応の関与が推定された.
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