輸入冷凍牛ロース肉の熟度指標としての剪断力価,ATP関連化合物,筋原線維小片化率,および30,000ダルトン成分
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概要
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剪断力価(SFV), ATP関連化合物,筋原線維の小片化率(MFI)および30,000ダルトン成分(30KD)が由来不明の輸入冷凍牛肉の熟度指標として有効であるかどうかについて,検討した,屠殺後4日のホルスタイン種去勢牛ロイン部の28日間貯蔵中のATP関連化合物の変化は,イノシン酸(IMP)が次第に減少,ヒポキサンチン(Hx),キサンチン(X)が増加傾向にあった.そこで,魚肉の鮮度指標として報告されているK値と,IMP, Hx, Xの和に対するHxとXの百分率を求めた修正K値(mK値)の両方を熟度指標の候補とした.次に,アメリカ•オーストラリア産の輸入冷凍牛ロース肉(n=100)を対象に,食味性と共にこれらの特性を分析し,統計的に解析した.食味評価による"柔らかさ"は"香味"との相関(r=0.761)が高かった.それ故,"柔らかさ"を熟度の基準とし,他の特性との相関を求めたところ,SFV(r=-0.759)>30KD(r=0.558)>MFI(r=0.481)>mK値(r=0.282)>K値(r=0.211)の順に相関が大きかった.更に,SFVに対する相関をみると,30KD(r=-0.706)>MFI(r=-0.573)>mK値(r=-0.300)>K値(r=-0.189)の順で,特に30KDとの相関性が顕著に増した.以上から,由来不明の輸入牛ロース肉の熟度指標として,SFV,30KD,MFIは有効であるが,mK値,K値はそれらに比べ,劣ると考えられた.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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