レンネツトに関する研究 : IX. κ-カゼインに対するレンニン作用に伴う添加カルシウムおよび遊離燐の動態ならびに生じた非蛋白態窒素化合物について
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概要
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(1) 前報の追補の意味も含めて,ふたたびκ-カゼインに対するレンニンの作用に関し,添加カルシウムと遊離燐の動態を観察し,合わせて,これらに関し,生成した水性非蛋白態窒素化合物(NPN)の酵素作用の経過に伴う変化などを検討した.(2) カルシウムの動態について,かりに一つの見解を述べてみた.(3) 燐やNPNの量は,カゼインを沈殿させ,除去して〓液をとる方法により,差が大さく,透析性にも影響が大きい.(4) カルシウムが参与したレンニン作用で生ずるκ-カゼインの分解生成物は,カルシウムなしの酵素作用で生ずるそれと,量的にはもちろん,質的にも,かなり差があもめと思われる.カルシウムの量は透析性にも影響した.(5) レンニンは,カルシウムを添加した場合は,不活化されたレンニンでも,ペーパー•クロマトグラフイーで,アスパラギン酸のRfの近くに斑点を示した.カルシウムなければ,斑点は出ない.
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