レンネツトに関する研究 : VIII. k-カゼインに対するレンニンの作用に伴う添加カルシウムおよび遊離燐の動態について
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概要
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1) 粗κ-カゼイン10mg/mlの液中に,添加カルシウム(イオン)1mg,レンニン0.015μgを含むようにし,38°Cにおけるレンニン作用の進行に伴う添加カルシウムと遊離燐の変化を測定した.2) カゼインに吸着されたと思われるカルシウムの量は405μg/mlであつた.イオン交換性カルシウムは,milk clottingに相当するカゼイン粒子の凝集とともに減じ,約40分後325μg/mlで平衡した.非イイン交換性カルシウムは,カゼインの凝集に対応して急速に減少し,後にほとんど元の量まで増大した.3) 遊離燐は,カゼイン粒子凝集後まもなく最大量(カゼイン中の燐の約8%)に達した.この燐の87%はイオン交換性であつた.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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