レンネットに関する研究 : IV結晶性Renninの性質について(2)
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概要
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結晶性renninの性質について引つづき試験を行い,Rfと電気泳動性とについて報告した。Paper partition chromatographyに於ける純renninのRfは概してpepsinよりも大きく,同じ溶媒ならpHが高い程大きい傾向がある。又展開剤によつてはrenninとpepsinの混合物から一方のみを移動させることが出来る。電気泳動性については,先づレンネットエキスから粗酵素沈澱,結晶,再結晶の順に純化するに従つて酵素に随伴する蛋白分屑は離脱して単一蛋白質のrenninが得られる。しかし初結でも0.5N-HClか又は多量のCaCl2-HCl洗液で洗滌するとrenninは純粋な蛋白になる。結晶性renninの電気泳動に於ける易動度は,そのrenninをとつた犢の血清globulin中のα-globulinと同じである。粗製renninに随伴する蛋白分屑はpepsinと,又粗pepsinに随伴する蛋白分屑は純renninと,易動度が略同じである。この実験について御援助を賜つた東大農化佐々木林治郎先生,同教室山内邦男氏,北大前野教授に感謝する。
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