茶園用トラクタ(ホイル型10PS)の管理作業機
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概要
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茶園の大型機械化作業体系を確立するため,茶うねをまたぐハイクリヤランス型Tea Garden Tractor-62(TGT-62)と,これに装着する各種作業機を考案試作し,それぞれについて試験した。その中で摘採整枝機については,本研究報告第37号にすでに報告したが,引き続き中耕機,防除機,除草剤散布機,作条機,覆土機についてその性能試験を行った。<BR>1.中耕機のほ場作業量は,1年生園で10.5a/hr,2年生園で19.6a/hrであったが,旋回時に中耕機を上げるのに補助者を要した。さらに耕うん幅が450mmで耕深が100mmであり,耕うん幅が狭いことから,幼木園は2〜3行程で作業した。また,耕深は100mmが限度であるため,深耕作業はできなかった。<BR>2.防除機(工型)は作業性能が悪く改造した。改造した防除機(II型)のほ場作業量は90.6a/hrであったが,ブームノズルの調節装置やタンク容量,給水ポンプの装着等の検討が必要であると思われた。<BR>3.除草剤散布機のほ場作業量は,2年生園で29.9a/hrであったが,成木園用除草剤散布機の試作が必要であると思われた。<BR>4.作条機のほ場作業量は,定植前の施肥溝の作条で24.9a/hr(2行程)であり,定植溝の作条で20.0a/hrであった。覆土機のほ場作業量は34.2a/hrであった。<BR>5.TGT-62の機関は,軽自動車の4サイクル空冷ガソリンエンジンであり,作業中の負荷変動や燃料経済性等が問題である。さらに機関の最大出力は10PS(農用トラクタとして推定)であるが,トランスミッション,PTO,ブレイキ(旋回)等の機構が農用機として不十分であった。<BR>次に茶園のうね幅が180Cmであることから,輪距が1,700mmでは茶園のすそ部に損傷が見られるので,うね幅に見合った輪距とすべきことがわかった。<BR>この研究を遂行するにあたって,ご指導とご援助を賜った元農林省蚕糸園芸局畑作振興課荒井藤光氏,元農林省茶業試験場長加藤博氏,元同枕崎支場長故上野健二氏,TGT-62の附属作業機の製作をしていただいた瑞穂産業株式会社,株式会社有馬虎夫商店,松元機工の方々に対し深く感謝の意を表します。<BR>また,この報告の取りまとめにあたって,ご指導とご援助を賜った鹿児島県茶業試験場長岡村克郎氏,同栽培研究室長岡本信義氏,実験その他に絶大なる協力を下さった当場職員の方々に対しても感謝いたします。
著者
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