蒸葉の葉打処理による暖地の煎茶品質改善
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概要
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1. 暖地においては生葉品質の特性のためか粗揉工程でむれ,揉み不足等を生じ茶品質の低下が著しく且つ製茶能率も低い。そこでこの改善をはかるため蒸葉の葉打処理について試験した。<BR>2. 暖地における蒸葉の葉打処理程度は重量減15%前後が最適と考えられた。また,これに適する粗揉機の使用条件は熱風吹込み温度を70℃,もみ手バネ圧を3.0〜3.5kgとし他は当場標準法が適当であった。<BR>3. 試作した連続式葉打機はY式50K型粗揉機の本体を改造したもので機内シャフトに葉ざらい手8本をスパイラル状に装着した。また熱風発生装置は本体背面上部にFH330型送風機(風量31m<SUP>3</SUP>/2,100rpm)を3台並列に装着し,それぞれにガスバナーを取付け,本体上部の端に蒸葉投入装置を,もみ底の端に処理葉の取出し装置を取付けたものである。<BR>4. 連続式葉打機の使用法は機械回転数.40rpm,送風法は熱風―熱風―冷風法で送風機回転数は2,100rpm前後,熱風吹込み温度は80〜90℃,機内通過処理時間は一番茶期6〜9分,二,三番茶期6分で生葉投入量は毎分5kgが適当と考えられた。<BR>5. 暖地産の茶葉について蒸葉の葉打処理を行い,これを粗揉工程で強圧,低温,多風量で処理することは茶葉水分の蒸散を均一に且つ急速にすすめ得たためむれや上乾きが少なくなって品質が向上したものと考えられる。<BR>この研究を遂行するにあたって連続式葉打機の試作にご協力をいただいたカワサキ機工株式会社九州営業所に対し深く感謝の意を表します。<BR>また研究の遂行と報告にあたって有益なご助言とご指導を賜わった鹿児島県茶業試験場長岡村克郎氏に対しても感謝いたします。
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