チャ立枯症の品種間差異と幼木における地際部発根性
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概要
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チャ立枯症の発生の品種間差異と,幼木における挿穂母茎の地際部発根性との関係を明らかにすることによって,立枯症の発生機構解明の手がかりを得ようとした。<BR>1) チャ立枯症の発生率には顕著な品種間差異が,品種比較試験等で認められ,感受性品種はやぶぎたとその後代であるおくみどり,かなやみどりであり,抵抗性品種はふじみどり,おくむさし,さやまかおりであった。<BR>2) 地際部の母茎上部からの細根発生と,それに伴う肥大には,主要品種の間で明らかな差異が認められた。また,細根から木化根への発達の早遅にも品種間差異が<BR>認められた。細根が発生し易く,木化根への発達の遅れる品種は,立枯症の抵抗性が弱く,逆に細根の発生の少ない品種は,立枯症に対して概ね抵抗性を示した。<BR>3) このような品種間差異から,幼木における地際部発根性は,立枯症に関与する最も重要な要因の一つと考えられた。<BR>立枯症の発生率の品種間差異の集約に当って,未発表の成績の引用を許可していただいた静岡県茶業試験場,ならびに,終始ご指導を賜った茶業試験場栽培部長中山仰博士,調査に協力を仰いだ枕崎支場田中勝夫技官(現:西富勝夫技師,山口県農林部),根の形態調査に試料を提供していただいた茶業試験場業務科にお礼を申し上げる。
- 日本茶業技術協会の論文
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