乳牛の血漿ブドウ糖•遊離脂肪酸•尿素•カルシウム•無機リンおよびマグネシウム濃度の日内変動

概要

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乳牛の血液成分の日内変動を把握するため泌乳中期の牛を用いて1時間ごとに24時間にわたってカテーテル法によって採血し,血漿のブドウ糖•遊離脂肪酸(FFA)•尿素態窒素(尿素-N)•カルシウム(Ca)•無機リン(Pi)およびマグネシウム(Mg)濃度の推移を調べた.全般的にFFA濃度はこれまでの多くの報告値よりも低く,また経時的には早朝に高く,朝の給飼後に低下する傾向を示した.ブドウ糖濃度は朝給飼の3〜4時間後から深夜にかけて低い値を示した.尿素-N濃度には特に明瞭な日内変動があって,朝給飼の2〜4時間後に最高に達し,その後徐々に低下して深夜に最低値を示した.Ca濃度は日中よりも夜間に高く,反対にPi濃度は日中に高かったが,目中から夜間初めにかけて変動が著しかった.血漿ブドウ糖濃度には一時的な上昇が度々みられ,その多くの場合にはPi濃度の低下とCa濃度の上昇を伴っていた.Mg濃度の日内変動は小さかったが,深夜〜早朝に高い傾向を示した.血漿成分相互の関係をみると,ブドウ糖•Ca•Mgの相互間には正の相関があり,またこれら3種の成分それぞれとPi濃度との間には負の相関がみられた.
社団法人日本畜産学会の論文