御崎馬の採食時間と休息時間の季節的変化
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概要
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自然状態で周年放牧されている御崎馬12頭について,1979年6月から1982年8月に,55回の2〜24時間連続の行動観察を行い,採食時間と休息時間,気温及び採食草樹種の季節的変化を調査して,御崎馬の生息環境に対する行動的適応について検討した.夏は日中の暑い時は休息をとることが多く,日没から深夜にかけて最も活発に採食した.一方冬は夜明けとともに採食を開始し,暖かい日中の大部分は採食に費やし休息は極めて少なかった.しかし気温が低下する夜は,日没とともに休息に入り夜明けまでに何度も長時間の休息を取った.餌は夏よりも冬の方が乏しかったにもかかわらず,全採食時間と夜間の採食時間は冬よりも夏の方が長く,逆に全休息時間と夜間の休息時間は夏よりも冬の方が長かった.この夏と冬の行動型の変化は,採食時間の短縮と休息時間の延長によって採食行動で消耗するエネルギーを減らし,餌の乏しい冬の環境に対して行動的に適応していることを示すものと解釈された.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
著者
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