御崎馬のHarem Groupの行動圏及び群の大きさの季節的変化
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概要
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1979年1月から1981年12月までの3年間,御崎馬のharem group (1頭の種雄馬と数頭の成雌馬及びその子馬から構成された群)の行動圏と群の大きさの季節的変化について,放牧地の植生との関連で調査した.繁殖シーズンには,全てのharem groupは,ノシバ,チガヤ,ハマヌゲなどの馬の嗜好する草が豊富に繁茂する草地で生活した.この時期にはほとんど全ての成雌馬はその子馬とともに,それぞれ特定のharem groupに加わるので,群の大きさは年間を通じて最も大きくなった.しかし9月以降草地の生産量が減少し始めると,大部分のharem groupは相互に結びつきの強い馬同志の小さな群に分れて草地を離れ,冬の主な採食草樹であるススキ,チガヤ,ホシダ,ツワブキなどの雑草やタヅノキ,アカメガシワ,クロガネモチなどの木の葉を求めて15年以下の杉林内や海岸沿いの雑草地内のそれぞれ固有の冬の行動圏に移動し,そこで冬を過した.harem groupの行動圏は相互に重複しており,特に繁殖シーズンには多数のharem groupが同じ草地を共有した.調査期間を通じで,特定の群が特定の区域を占有するいわゆるなわばり行動は認められなかった.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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