ウサギ盲腸内容物中の揮発性脂肪酸とビタミンB2の培養による変化
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概要
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ウサギの盲腸内容物を採取し,等量の蒸溜水を加えて培養(2倍稀釈培養)して未稀釈培養と比較し,また,添加実験用粗繊維よう物質に含まれる粗灰分を2倍稀釈の盲腸内容物に添加培養(粗灰分添加培養)して,無添加培養と比較し,さらに,盲腸内容物の無添加培養前後の成分の変化を見た.培養は二酸化炭素置換の嫌気条件で39°Cに3時間行い,pH,純蛋白質,粗繊維,揮発性脂肪酸(VFA),およびビタミンB2の各成分について分析して,つぎの結果を得た.1)2倍稀釈培養は未稀釈培養に比べて,全VFA量および各VFAの分布には著しい差の認められる場合があったけれども,その他の成分では大差は存在しなかった.2)粗灰分添加培養は無添加培養に比べて大差を認めなかった.3)培養前の盲腸内容物の成分は,従来の実験値と大差なく,全VFAは380μmole/乾物gで,このうち70%強を酢酸が占め,ついて酪酸,プロピオン酸の順であった.総ビタミンB2量は170μg/乾物gで,このうち約1/3が透析型B2であった.4)盲腸内容物の無添加培養後の変化は,一般に,pH,純蛋白質および粗繊維が低下し,全VFAおよび総ビタミンB2は増加した.VFA区分では,絶対量では酢酸が最も多く生成されたが,比率としてはかえって減少する場合が多かった.ビタミンB2では透析型が著しく増加した.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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