反芻胃内微生物による非蛋白態窒素化合物の利用におよぼす アミノ酸及び硫黄源の影響
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概要
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著者らは前報において,反芻胃内微生物の尿素利用によぼすアミノ酸の効果について報告した.本報告は前に引き続き反芻胃内微生物のNPN化合物の利用におぼす種々のアミノ酸および硫黄源の影響を検索するこを目的とし,前報と同様の培養条件下で培養を行い以の結果を得た.1. 完全アミノ酸混合物から種々のアノ酸を除去した時の微生物蛋白質合成への影響では,硫アミノ酸除去区で蛋白質合成量は最少であった<0.05).2. N源が尿素の場合における微生物蛋白質成におよぼす12種のアミノ酸の添加効果を調べた結,L-メチオニン添加区の蛋白質合成量は有意(P<0.05)に高かった.一方N源が完全アミノ酸混合物またはカぜインの場合には, L-メチオニンの添加目効果は認められなかった.またL-メチオニンの添加効果は,その添加量が7mg/試験管の時最大であり,それ以上に添加量を増加しても,微生物蛋白質合成量が増加することはなかった.3. 硫黄源としてのL-メチオニソと硫酸塩の比較では培養開始後6時間の蛋白質会成量は, L-メテオユン区で有意(P<0.05)に高かった.4. L-メチオニンの添加効果は,プロトゾアの存在しないバクテリアのみの場合でも認められた.以上の結果より, L-メチオニソが反芻胃内微生物の蛋白質合成およびNPN利用に関与する重要な栄養因子の一つであることが明らかとなった.
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