反芻胃内繊毛虫の細胞外および細胞内蛋白質分解活性の性質
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概要
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第一胃フィステルを装着した山羊より採取した反芻胃内容物より,遠心分離法により繊毛虫を集め,できるだけ付着細菌を除くため塩類溶液で7〜10回洗滌後,39°Cで同じ塩類溶液を用いて90分培養した.培養後遠心分離法により得た無細胞液(細胞外粗酵素液)の蛋白質分解活性の至適温度,至適pH,活性化剤の作用,硫酸アンモニウム分画区分およびゲル〓過区分の蛋白質分解活性をカゼインを基質として検討を行った.また同様に集めた繊毛虫を超音波で破壊,抽出した溶液(細胞内粗酵素液)の蛋白質分解活性の至適温度と至適pHについて同様な方法で検討した.得た結果を次に列挙する.i) 粗細胞外蛋白質分解酵素活性の最適温度,最適pHはそれぞれ55〜60°C,5.5〜6.0,粗細胞内蛋白質分解酵素活性のそれらはそれぞれ70〜75°C,5.0〜6.0であった.ii) 粗細胞外蛋白質分解酵素活性の約80%は硫酸アンモニウム40〜80%飽和による沈澱部に存在した.iii) 細胞外蛋白質分解酵素の活性はシスティン,ジチオスレイトルの添加によって著しく増大した.iv) 上記硫酸アンモニウム40〜80%飽和沈澱区分をセファデックスG-100でゲル〓過,分別した結果,蛋白質分解活性は主な2〜4の区分に別れた.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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