固相マイクロ抽出(SPME)法による茶の加熱香気成分の分析法
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概要
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(1) 茶の加熱香気成分の分析に最も適するSPMEファイバーはDVB/carboxen/PDMSファイバーである。また,ヘッドスペースガスの有効な捕集方法としては,乾燥状態の茶試料からそのまま抽出する方法よりは,湯を加えて浸出液として抽出する方法の方が優れていた。<BR>(2) 固相マイクロ抽出法で火入れ程度強及び弱の試料において,共に充分なGC分析値を得るには20分の抽出が必要であった。<BR>(3) 固相マイクロ抽出法はカラム濃縮法と比較し,試料調製から分析までの操作の簡便さや迅速性,安全性に優れる。また,加熱香気成分である含窒素化合物のGC分析では,固相マイクロ抽出法でも充分なピーク面積があり,内部標準から計算されるピーク面積比もデータ解析が充分に可能な値を示し,分析の再現性も高く,火入れ程度の評価に応用できる香気成分分析法であることが示された。<BR>(4) 固相マイクロ抽出法は,FIDによる香気成分の分析にも利用できることが示唆された。
- 日本茶業技術協会の論文
著者
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堀田 博
独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構食品総合研究所
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樋口 雅彦
鹿児島県茶業試験場
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佐藤 昭一
鹿児島県茶業試験場
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濱崎 正樹
鹿児島県茶業試験場
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眞正 清司
鹿児島県茶業試験場
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堀田 博
独立行政法人 食品総合研究所
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