世界における飼料の安全確保の取組みの現状と今後の課題
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概要
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近年,飼料を原因とする食品安全を脅かす事故や事件が相継いで世界で発生し,飼料の安全確保が注目されている.ダイオキシン,カビ毒,重金属,有害微生物など飼料の安全性を脅かす様々な危害要因から飼料および飼料原料の安全を守るために,コーデックス委員会による適正動物飼養規範の作成など,国際機関により様々な活動が行われている.この適正動物飼養規範の実施の度合は,国により異なるが,飼料の製造工程への適正製造基準(GMP),危害分析重要管理点(HACCP)などの導入が欧米諸国を中心に進みつつある.飼料および飼料原料の安全性の評価については,国際的なガイドラインなどは作成されておらず,食品を対象として開発された基準が準用されている.また,飼料安全に関する国際的な情報交換システムはなく,食品安全または動物衛生関係の情報ネットワークの中で情報交換が行われているにすぎない.今後は,飼料製造工程へのGMPなどの導入のさらなる推進,飼料原料や飼料添加物の安全性の評価の国際基準の作成,簡易な飼料の分析法の開発,飼料の安全性に関する国際的な情報ネットワークの構築,新たな飼料原料の安全管理が課題となっている.
- 社団法人日本畜産学会の論文
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