mtATP6 領域を用いた飼料中の豚DNA検出のためのPCRプライマーの開発
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概要
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我が国では,BSE発生防止の観点から反すう動物用飼料への肉骨粉の使用は禁止されている.一方,反すう動物を除く肉骨粉は,鶏,豚および養魚用飼料へ使用することができる.このような使用規制の実行性を確保するために,各動物由来タンパク質の混入や交差汚染の有無を確認する必要がある.そこで今回,豚DNAの特異検出法の開発を行った.肉骨粉の製造工程には,熱処理や圧搾処理があり,DNAに損傷を及ぼす可能性があることから,製造工程中の影響を受けにくく,また遺伝的に保存性の高い,ミトコンドリアDNA塩基配列の中で豚に特異性が高い領域(mtATP6 およびmtATP8 )において,2つのプライマー対(PPA6およびPPA8)の構築を行った.これらのプライマー対は,豚DNAを特異的に増幅することが確認された.また,牛用配合飼料における検出感度は,豚肉骨粉含有量 0.01〜0.001% だった.2つのプライマー対の感度を比較したところ,PPA6は断片化したDNAでも高感度に増幅することが明らかになった.
著者
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吉田 知太郎
(独)農林水産消費安全技術センター本部
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野村 哲也
(独)農林水産消費安全技術センター 神戸センター
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篠田 直樹
(独)農林水産消費安全技術センター本部
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草間 豊子
(独)農林水産消費安全技術センター本部
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門脇 光一
農林水産省
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杉浦 勝明
(独)農林水産消費安全技術センター本部
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杉浦 勝明
(独)農林水産消費安全技術センター
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篠田 直樹
(独)農林水産消費安全技術センター
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