ブラウン動力学シミュレーションのための新規溶媒効果モデル : 露出表面積依存型有効電荷モデル
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
新規溶媒効果モデルである有効電荷(Effective Charge; EC)モデルを開発し、AMBERユナイテッド・アトムモデルを用いたブラウン動力学法に導入した。ECモデルでは個々の原子の電荷はその露出表面積に比例して減衰するものとした(Eq. 2)。本ECモデルの有効性を検証するため、ββα構造を保持する28残基のペプチドをモデルとし、4つの水和モデル:Generalized Born/solvent-accessible Surface Area (GB/SA) モデル、solvent-accessible Surface Area (SA) モデル、Distance-dependent Dielectric/SA (DD/SA) モデル、DD/SA/ECモデルを用いた5 nsのブラウン動力学シミュレーションを行い、そのトラジェクトリーを解析した。また、TIP3P水分子モデルを用いた分子動力学シミュレーションも同様に行い比較した。GB/SAモデルを用いたブラウン動力学シミュレーションでは真空中のシミュレーションで多く生じる回転半径の減少(Figure 3)、親水性露出表面積の減少(Figure 4)などのアーチファクトが見られた。一方、DD/SA、DD/SA/ECモデルを用いたシミュレーションではそのようなアーチファクトは見られなかった(Figures 2 -5)。特にDD/SA/ECモデルでは大きな計算負荷なしに最も初期構造からのずれを抑えることが可能であった(Figure 1 and Table 1)。
- 日本コンピュータ化学会の論文
- 2004-12-15
著者
-
山登 一郎
東京理科大学基礎工学部
-
山登 一郎
Department Of Biological Science And Technology Tokyo University Of Science
-
山登 一郎
東京理科大基礎工
-
目黒 俊幸
東京理科大学基礎工学部
-
安藤 格士
東京理科大学基礎工学部
-
安藤 格士
東京理科大・基礎工・生物工
-
目黒 俊幸
東京理科大学基礎工学部生物工学科
-
目黒 俊幸
東京理科大学基礎工学研究科
関連論文
- 1Q38 大腸菌トリプトファンリプレッサーの熱安定性の研究
- 3P173 腸内連鎖球菌V型Na^+-ATPaseの外周固定子のサブユニット構成(分子モーター,口頭発表,第45回日本生物物理学会年会)
- 2P112 ボランティアコンピューティングによるタンパク質フォールディングシミュレーション(蛋白質(物性(安定性、折れ畳みなど)),ポスター発表,第45回日本生物物理学会年会)
- 2P060 分散コンピューティング環境でのタンパク質立体構造予測シミュレーション(蛋白質 C) 物性(安定性、折れたたみなど)))
- 2H1545 大腸菌プロリン輸送タンパク質の精製と結晶化の試み(3.膜蛋白質,一般演題,日本生物物理学会第40回年会)
- 柳田敏雄, 生物分子モーター : ゆらぎと生体機能, 岩波書店, 東京, 2002, x+88p., 19/13cm, 本体1,300円, 岩波講座「物理の世界」物理と情報7, 学部・大学院向
- 醤油乳酸菌P. halophilusのキシロース代謝系遺伝子群のクローニングと発現
- ブラウン動力学シミュレーションのための新規溶媒効果モデル : 露出表面積依存型有効電荷モデル
- ヒスチジン含有タンパク質のリフォールディング過程の分子動力学シミュレーション
- 大腸菌外膜タンパク質ポリンの分子動力学シミュレーション
- 3P46 大腸菌外膜チャンネルタンパク質ポリンの分子動力学シミュレーション
- ヒスチジン含有リン酸転移タンパク質変性過程の分子動力学シミュレーション
- 大腸菌外膜チャネルタンパク質、マルトポリンの計算機シミュレーション
- モンテカルロシミュレーションにおけるタンパク質変形方法の工夫
- 分子動力学/自由エネルギー計算によるF-ATPase触媒部位への基質結合親和性の算出
- 膜タンパク質ブラウン動力学シミュレーション法の開発
- アミノ酸残基の空間的出現確率によるDNA Binding Proteinの機能部位解析
- 2P303 立体構造情報を利用したタンパク質機能予測法FCANAL : 酵素・結合タンパク質への応用(生命情報科学 B) 機能ゲノミクス))
- 3P282 立体構造情報を利用したタンパク質機能予測法FCANALの一般化(生命情報科学 B) 機能ゲノミクス)
- 3P092 SMP並列コンピュータを用いたブラウン動力学法によるタンパク質折り畳みの長時間シミュレーション(蛋白質 C) 物性 : 安定性、折れたたみなど)
- 腸内連鎖球菌Na^+輸送性V型ATPaseの可溶化・再構成と精製
- タンパク質立体構造情報に基づく機能予測法 : Ca結合タンパク質
- タンパク質立体構造情報に基づいた機能予測法の一般化
- ブラウン動力学法によるタンパク質折り畳みの自由エネルギー地形解析
- 遺伝的アルゴリズムで最適化した力場パラメータによる、ペプチド鎖のモンテカルロシミュレーション
- 分子構造を立体的に解析するための多機能オブジェクト指向クラスライブラリの開発
- 1I1600 タンパク質折り畳みシミュレーションのためのBrownian dynamicsアルゴリズムの開発(1.蛋白質(C)物性,一般演題,日本生物物理学会第40回年会)
- 1I1615 モンテカルロ法による28残基および33残基ポリペプチド鎖の折り畳みシミュレーション(1.蛋白質(C)物性,一般演題,日本生物物理学会第40回年会)
- 1R1500 タンパク質立体構造情報に基づく機能予測法 : Ca結合タンパク質(22.生命情報科学,一般演題,日本生物物理学会第40回年会)
- 長時間シミュレーションのための水和モデルを用いたBrownian dynamicsアルゴリズムの開発
- 生体高分子のモンテカルロシミュレーションにおける分子変形方法の工夫
- 3P004大腸菌トリプトファンリプレッサーの熱安定性の解析
- 3C1100 モンテカルロシミュレーションによるペプチド鎖折り畳み構造予測のための力場の検討
- 1A1115 28残基ポリペプチドの構造と安定性
- 2PA117 モンテカルロシミュレーションによるヘリクスーターン-ヘリックス構造の予測
- 液胞型ナトリウムポンプの耐塩性における生理作用とその遺伝子発現制御
- 3P-134 腸内連鎖球菌V型ATPaseの膜内在性サブユニット(NtpI)の発現と精製(分子モーター,第47回日本生物物理学会年会)
- 2P-188 腸球菌ナトリウム輸送性V型ATPaseの膜内在性ローターリングのエンジニアリング(分子モーター(2),第46回日本生物物理学会年会)
- 1P-144 腸内連鎖球菌V型ATPaseの外周ストークのサブユニット構成とその溶液構造(分子モーター(1),第46回日本生物物理学会年会)
- Tributyltin sensitivity of vacuolar-type Na^+-transporting ATPase from Enterococcus hirae
- 2PA116 腸内連鎖球菌Na^+輸送性V_1-ATPaseの立体構造モデリング
- Deletion Analysis of the Subunit Genes of V-Type Na^+-ATPase from Enterococcus hirae
- Identification of Nucleotide Binding Sites in V-Type Na^+-ATPase from Enterococcus hirae
- Indispensable Glutamic Acid Residue-139 of NtpK Proteolipid in the Reaction of Vacuolar Na^+-Translocating ATPase in Enterococcus hirae
- Properties of the V_0 V_1 Na^+-ATPase from Enterococcus hirae and Its V_0 Moiety
- 二次性能動輸送機構の統一的モデル
- 大腸菌プロリン輸送系の研究
- 3P172 腸内連鎖球菌由来ナトリウム輸送性ATPase,V1部分の精製,分解,再構成の検討(分子モーター,ポスター発表,第45回日本生物物理学会年会)
- V-ATPaseの新しい機能とその構造からみえてきたメカニズム (特集 回転分子モーターのナノサイエンス)
- V型Na^+-ATPaseの膜内在性ローターリングの構造 : 結晶構造から見えてきた回転モーターのイオン透過機構(トピックス)
- 2SE2 腸内連鎖球菌V-ATPaseのイオン選択性とその結合反応
- 生化学データに基づくシステムシミュレータの開発