ソーセージ等の市販ゲル食品のクリープ解析
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
クリープ試験による瞬間弾性率E0と定常粘性率のηNの相関図から各種食肉ゲル食品間の物性を相対的に把握することが可能であった. 畜肉ソーセージを加熱した場合, いずれの試料においても加熱により, ηNは変化しないが, E0は低下するという傾向が認められた. 官能評価パラメータとクリープパラメータ特性の間の相関をみると, 未加熱ソーセージにおいては食感の好ましさと遅延弾性率E2との間で比較的高い相関 (r=0.619) を有した. 一方, 加熱ソーセージにおいては食感の好ましさ, 硬さ, 弾力性, ジューシー感および繊維感のいづれの特性値とも遅延時間τ1, τ2との間での相関が非常に高かった (r=0.834〜0.998).青木は感覚評価の客観的表現において多面的, 統合的な人間の感覚を予測する手段や統一的な法則を見出す可能性は今のところ難しいが, 当面の目標はゲル状食品, スポンジ状食品および多孔質食品のような共通的な性状を有する食品グループごとに感覚評価と客観的な測定値との統一的な相関関係を求めることであると指摘している. 本報では, 青木の述べる食品グループとしてはゲル状食品に属する食肉ゲル食品を用いて物性を評価した結果, クリープ解析による機器測定パラメータE0およびηNと感覚評点とは相関が高いことを示している. すなわち, 口の中で切断する前に試料が変形する度合をcohesiveness, 試料をかみ切るために要する力の量をhardnessと定義されているが, 本報でのクリープ解析から得られた弾性率および粘性率はこのcohesivenessやhardnessを包含した性質を表現する一つの手段であると考える.
- 社団法人 日本食品科学工学会の論文
- 2005-11-15
著者
-
笠置 高正
九州共立大学工学部環境化学科
-
添田 孝彦
九州共立大学工学部環境化学科
-
外園 亜紀子
九州共立大学工学部環境化学科
-
添田 孝彦
九州共立大学 工学部生命物質化学科
-
外園 亜紀子
九州共立大・工
関連論文
- ゼラチンゲルの融点および物性に及ぼすトランスグルタミナーゼの作用
- トランスグルタミナーゼ処理畜肉のゲル物性に及ぼす食塩と重合リン酸塩の影響
- トランスグルタミナーゼ処理大豆タンパク質のゲル物性に及ぼすペプチド類の影響
- 脱臭処理大豆の成分, フレーバおよび物性に基づく品質評価
- トランスグルタミナーゼ処理による食肉素材の接着機構
- 現代の木綿豆腐の実態調査
- 微生物起源トランスグルタミナーゼによるホエイタンパク質濃縮物の物性改質
- ソーセージ等の市販ゲル食品のクリープ解析
- 大豆タンパク質分散液の粘弾性挙動に及ぼす測定周波数, pHおよびタンパク質濃度の影響
- 下水汚泥コンポストの有用根圏細菌活性化機能 : 8. 培地アミノ酸の多様性に対するP. fluorescens bv. Vの増殖能とシデロフォア生成能の相反応答、およびそれに対する培養振とう強度の影響(6. 土壌生物, 2004年度大会講演要旨集)
- 下水汚泥コンポストの有用根圏細菌活性化機能 : 7. 極低濃度の各種混合アミノ酸に対する対照区および汚泥コンポスト区菌株群の走化性応答の比較(6. 土壌生物, 2004年度大会講演要旨集)
- 43 下水汚泥コンポストの有用根圏細菌活性化機能 : 2.増殖能とシデロフォア生成能(九州支部講演会(その2))
- 42 下水汚泥コンポストの有用根圏細菌活性化機能 : 1.根系と根定着菌株群(九州支部講演会(その2))
- 6-42 下水汚泥コンポストの有用根圏細菌活性化機能 : 6.活性化因子としての根圏アミノ酸多様性の評価(6.土壌生物)
- 6-41 下水汚泥コンポストの有用根圏細菌活性化機能 : 5.培地アミノ酸の多様性とP.fluorescence bv.VおよびP.putida菌株の走化性応答(6.土壌生物)
- 下水汚泥コンポストの有用根圏細菌活性化機能 : 4. 培地アミノ酸の多様性とP. fluorescens bv. V菌株の増殖能およびシデロフォア生成能(2003年度大会一般講演要旨)
- 下水汚泥コンポストの有用根圏細菌活性化機能 : 3. P. fluorescens bv. V菌株の走化性,増殖能およびシデロフォア生成能のアミノ酸特異性(2003年度大会一般講演要旨)