ヒノキ根株腐朽病を起こすキンイロアナタケの感染と伝染
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概要
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30・38・43年生ヒノキ林内で発生しているヒノキ根株腐朽病について病原菌のジェネット構造や侵入口を調べ、病原菌の感染と伝染について検討した。キンイロアナタケによるヒノキ根株腐朽病の被害率は、30・38・43年生ヒノキ林においてそれぞれ53%、28%、49%であった。キンイロアナタケは根の腐朽部や樹皮上の白色菌糸体から頻繁に分離された。分離菌株の対峙培養の結果、38年生ヒノキ林で少なくとも5個のジェネットが見つかり、病原菌は根系接触によって隣接木に栄養繁殖で広がっていた。伐根の掘り取り調査の結果、腐朽が原因となる傷は6つのタイプ(根系接触、石レキ、根切虫オオスジコガネの幼虫の食害、林内作業車、根の亀裂、根腐れ)に分類された。伐根につながる傷はほとんど地下36cm未満で発生し、根系接触、石レキ、オオスジコガネ幼虫の食害が関係していた。
- 2010-03-00
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