琉球在来豚(アグー)の近交退化を緩和するための育種技術の確立(2)フィールド調査による体型と特徴

概要

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今回、琉球在来豚（アグー）の品種確立と判別の基準を創るため、沖縄県内で飼養され、登録申請のあったアグー539頭の中から、2歳以上の成豚222頭の体型および外貌特徴情報を収集解析した。その結果は以下のとおりである。1．成雄の平均値は体高70.1±5.6cm、体長117.3±12.5cm、胸囲121.7±11.0cm、前幅37.3±5.2cm、後幅32.8±3.7cmであった。2．成雌の平均値は体高67.3±5.1cm、体長117.9±9.9cm、胸囲126.7±11.4cm、前幅35.0±4.2cm、後幅33.8±3.8cmであった。3．外貌特徴は、大きさは中型もしくは小型で、体上線は中央にくぼみ、体下線も中央部に向け湾曲する。四肢は短めで、つなぎは柔軟で副蹄を接地する傾向にある。顔はしゃくれ、耳は中程度でやや立ち、眉間に皺がある。皮膚は黒く、全身が黒色毛で覆われ、密生している。雄の特徴は前勝ちで、長毛で縮れ密生し、体上・体下線の湾曲が強い。雌の特性は中躯から後躯が充実し、四肢は短く副蹄は接地するものが多い。以上の結果により、アグー品種確立に向けた体型・特徴等の基準値作成が可能であると考えられた。
沖縄県畜産研究センターの論文