改造水素エンジン船外機の開発と無負荷時の特性

概要

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現在、わが国の水産業には、地球温暖化に代表される環境問題と水産経営を圧迫している燃油高騰の問題がある。そのため、石油系燃料に代わるクリーンな代替燃料の開発が求められている。水素は燃焼させても水しか発生しない究極のクリーンエネルギーとして、また再生可能な循環型のエネルギーとして注目を集めている。著者らは、クリーンエネルギー応用の世界的な現状と水素エンジン漁船の開発に関しての概要をまとめた。漁船漁業における温暖化防止とクリーンで再生可能な代替燃料の開発により水産業の安定的な振興を図るため、水素を燃料とする漁船の開発に着手した。その中で、できるだけ初期投資を軽減して導入を促進するため、新規開発ではなく、漁船に使用されている既存の4サイクル2気筒ガソリンエンジン船外機（公称出力20PS）を、水素ガスを燃料として使用できるように改造した。そして、それらの基本的な性能について実験したので報告する。得られた結果は、馬力等の仕様が異なる漁船用エンジンの水素化に応用可能で、改造の基本的な手法を確立するのに意義がある。