夏季と冬季の北太平洋中央部と西部におけるNeocalanus cristatusの南北分布および餌料
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概要
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1995年6~7月と1996年1月に北太平洋中央部と西部における南北定線上の定点において表層(水深150mから海表面)で採集されたカイアシ類Neocalanus cristatusの現存量と消化管内容物を調べた.6~7月にはコペドディド4期と5期が卓越したが,1月にはコペドディド1~3期が多くを占めた.本種の現存量は緯度によって変化し,6~7月には移行領域と亜寒帯域南部で最も高く,1月には移行領域北部で高かった.夏季における現存量の南北分布の地域差は,コペドディド5期の現存量に原因していた.6~7月には本種の現存量と表層のクロロフィル量との間に統計的に有意な負の相関が認められた.本種は夏季と冬季に様々な珪藻類を主に食べており,夏季には有鐘繊毛虫類,冬季には珪質鞭毛虫類が珪藻類に次いだ.消化管内に渦鞭毛藻類と動物プランクトンの出現は少なかった.また,本種はデトリタス食性も示し,動物プランクトンの分泌物や糞粒を食べていると考えられた.以上の結果から,本種は従来考えられていたよりも活発に植物プランクトンや繊毛虫類を食べると推定される.
著者
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大塚 攻
Takehara Marine Science Station Setouchi Field Science Center Graduate School Of Biosphere Science H
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大塚 攻
広島大学瀬戸内圏フィールド科学教育研究センター
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