海産浮遊性カイアシ類Labidocera rotunda Mori(カラヌス目)の発生段階〔英文〕
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
Six naupliar and five copepodid stages excluding the adult of Labidoceru rotunda Mori (Copepoda: Calanoida) are described and illustrated based on specimens cultured in the laboratory (NI-NII) and collected from the central part of the Inland Sea of Japan (NIII-CV). Naupliar stages of this species are much alike as compared to most of the previously described Labidocera nauplii. Copepodid stages are similar to those of the congener of the same species group, L. pectinata Thompson & Scott, with slight differences in appendage setation and spinulation. From observations on mouthparts and gut contents, nauplii of this species appear to start feeding from NII possibly on small flagellates.瀬戸内海において暖期に出現する浮遊性カイアシ類Labidocera rotunda Moriのノウプリウス及び成体を除くコペボディド幼生の全発生段階の形態を室内飼育と野外採集から得られた標本により記載した。ノウプリークス、コペボディド期の発生段階は何れも6期であり、L. bengalensis Krishnaswamyで報告されているようなノウプリウス期の5期への短縮は見られなかった。また、口器の形態と消化管内省物の観察から、本種のノウプリウス期の栄養摂取様式はL. euchasta Giesbrechtの様な卵黄依存型ではなく、2期から小型の鞭毛虫等を摂食しているものと推測された。本種のコペボディド期は同じ種群に属するL. pectinata Thompson&Scottの同期に極めてよく類似するが、付属肢の刺毛数等に相違が見られた。性的二型が発現するのはコペボディド4期からで、右第1触角、第5脚に相違点が見られた。体長の雌雄差はL. pecinataではコペボディド4期から認められるが、本種では5期以降にみられた。
- 広島大学生物生産学部,農林水産研究情報センターの論文
著者
-
遠部 卓
広島大学生物生産学部
-
大塚 攻
Takehara Marine Science Station Setouchi Field Science Center Graduate School Of Biosphere Science H
-
大塚 攻
広島大学瀬戸内圏フィールド科学教育研究センター
関連論文
- 海と海辺の生物を題材とした体験・学習活動の実践(8)
- 27. DNA解析と船舶調査によるコウロエンカワヒバリガイの移入経路の解明(日本貝類学会平成19年度大会(豊橋)研究発表要旨)
- 冬季の日本海南部における中層性かいあし類 Gaetanus variabilis の鉛直分布、腸内容物および餌要求量
- Preliminary Faunistic Survey of Ophiuroids in the Westernmost Part of the Sea of Japan
- アミ類の寄生生物に関する最近の研究
- 日本の国際貿易港における外来性カイアシ類の出現の有無とバラスト水との関連
- 有明海産スズキにおけるカイアシ類の寄生状況
- 移入種か, 在来種か? : 清水港から記載された浮遊性カイアシ類の1種の導入の可能性を検証する
- ウスメバル養成親魚に見出された寄生性カイアシ類 Clavella parva
- 魚類寄生虫またはプランクトンとして出現する日本産ニセエラジラミ科カイアシ類の目録(1895-2007年)
- 本州東北部大槌湾における夏季の海産枝角類の分布
- 動物プランクトンに共生する繊毛虫類の生活史と生態的機能 (2010年度日本プランクトン学会春季シンポジウム(2010年度日本海洋学会春季大会シンポジウムG) 原生生物の多様性と生態的機能)
- 紅海産オンケア属カイアシ類の天然餌料, とくに尾虫類ハウスの摂食について
- 海と海辺の生物を題材とした体験・学習活動の実践(7)
- 海と海辺の生物を題材とした体験・学習活動の実践(5)
- 海と海辺の生物を題材とした体験・学習活動の実践(4)
- 微小甲殻類の系統分類と進化 : その多様性とダイナミズム(第3回日本動物分類学会賞受賞記念論文)
- 日本沿岸の寄生性渦鞭毛藻類の分類学的研究の現状と課題
- プランクトン学と寄生虫学の複合領域的研究の重要性
- Ectoparasitic Isopod, Norileca indica (Crustacea, Isopoda, Cymothoidae), Obtained from the Stomach of Coryphaena hippurus (Perciformes, Coryphaenidae) in the Philippines
- 沖縄から採集されたカイアシ類Neoscolecithrix属(甲殻綱,カラヌス目)の1新種記載およびクラウソカラヌス上科における本属の分類学的位置について
- 17. ヒザラガイの卵の形態(日本貝類学会 60 年度総会)
- 海底洞窟と近底層における甲殻類の多様性と進化(2009年度日本動物分類学会シンポジウム)
- The Seasonal Life Cycle of Sinocalanus tenellus (Copepoda : Calanoida) in a Brackish-water Pond
- 動物プランクトンに共生する繊毛虫類の生活史と生態的機能
- Zoogeography of planktonic brackish-water calanoid copepods in western Japan with comparison with neighboring Korean fauna
- バラスト水による動物プランクトンの導入と定着の実態 (特集 バラスト水問題と海洋生態系の保全)
- 海と海辺の生物を題材とした体験・学習活動の実践(9)
- 琉球諸島から得られたシンカイピンノ属(新称)の1新種
- 北西太平洋における海産枝角類Penilia avirostirsの分布と動物地理
- 福山港におけるカラノイダ目橈脚類Centropages abdominalis Satoの卵の生産と減耗〔英文〕
- 瀬戸内海における海産枝角類の消化管内容物量の日周変動〔英文〕
- 海産浮遊性カイアシ類Labidocera rotunda Mori(カラヌス目)の発生段階〔英文〕
- 汽水性カイアシ類Sinocalanus tenellusの種々の餌料濃度及び水温条件下における産卵速度〔英文〕
- 汽水性カイアシ類Sinocalanus tenellusの種々の水温,塩分条件下における成長特性〔英文〕
- Sea lice of Taiwan(台湾産ウオジラミ): Ju-shey Ho & Ching-Long Lin, The Sueichan Press, Taiwan, 2004年刊, 388pp., ISBN 957-8596-71-5
- 準絶滅危惧ハゼ科トビハゼ Periophthalmus modestus の広島県における現状
- インドネシアにおけるMesopodopsis属アミ類とアキアミ類の漁業の実態について
- 夏季と冬季の北太平洋中央部と西部におけるNeocalanus cristatusの南北分布および餌料
- A New Species of Paramacrochiron (Copepoda: Cyclopoida: Macrochironidae) Associated with the Rhizostome Medusa Rhopilema hispidum Collected from the Gulf of Thailand, with a Phylogenetic Analysis of the Family Macrochironidae
- 日本海最西部のクモヒトデ相の予備的調査
- 瀬戸内海のウオノエ科魚類寄生虫