幼児の食生活に関する研究(第30報) : 近郊農村幼児における食物・栄養素等摂取状況の30年間の推移
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概要
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幼児栄養をより的確に把握するために,近郊農村幼児の4~6歳児,6~14名(延べ66名)を対象として,昭和43年から平成10年までの30年間に数年間隔で7回,主として四季の各連続3日間(通年12日間,但し,第7回調査は通年6日間)の食物摂取量を秤量調査し,食品群別・栄養素等摂取状況の5~30年間の推移を検討し,以下の結果を得た。(1) 1日当たりの摂取食品数は,総数で17→26種類(うち動物性;3→6,植物性;14→21,間食;3→4)へ漸増した。(2) 食品群別摂取状況は,乳類,油脂類,緑黄色野菜が有意に漸増,果実類のみが有意に漸減,有意ではないが,穀類,豆類,その他の野菜が減少傾向を示した。平成10年度に目安量を充足していない食品群は穀類,豆類,その他の野菜,果実類,菓子類等であった。(3) 栄養素等摂取状況は,鉄とV.Cのみが充足されている状況から逐年漸増(但し鉄のみは逐年漸減)して,鉄を除きいずれも適正域またはそれを超えるに至った。その変動は脂質,カルシウム,V.AおよびB_1において有意であった。(4) 穀類(44→32.4%)・糖質(68→54.3%)エネルギー比は有意に漸減,脂肪エネルギー比(18→30.7%)・動物性タンパク質比(35→53.3%)は有意に漸増した。(5) 対象児の体位の体位推計基準値に対する比率は95~110%,BMI(kg/m^2)は14.6~15.7の範囲,体力評価は中位の成績でそれぞれ推移し,摂取栄養水準の改善による影響はとくに認められなかった。なお,近年の1日当たりの歩行数は10,006~13,993歩,同消費エネルギー量は1,245±115kcalであった。
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