大阪教育大学柏原キャンパスの植物相とその変化
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概要
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大阪教育大学柏原キャンパスのある柏原市旭ヶ丘は,金剛生駒国定公園の中央部,大和川の南に位置しており,表日本植物区系の瀬戸内地区に含まれ,その植物相は貧弱である(村田[6])。しかし,この地域では,大和川を北限とする特殊な分布を持つ種群が知られ(瀬戸[15];岡崎[7]),1994年には絶滅が危惧されている6種群が報告されているなど(岡崎・赤井[8]),必ずしも貧弱であるとは言い切れない。大阪教育大学柏原キャンパスは,1975年から大学移転統合による大規模な造成工事が開始され,一度中断した後1989年に再開,1994年に造成地内における主要施設建設工事が終了した。開発は工事だけではなくその後の植樹,緑化などの人為的活動により植物遷移に影響を与える.施設建設工事終了後の大阪教育大学柏原キャンパス周辺の植物相も,1994年に比べ大きく変化している可能性があるため,施設建設工事終了後10年以上が経過した現段階において,大阪教育大学柏原キャンパスの植物相の実態とその変化を解明することを目的として,大阪教育大学柏原キャンパスの植物相調査を行った。調査は,大阪教育大学柏原キャンパスと,寺山北側斜面を含めた周辺域で2007年3月~11月にかけて行った。その結果シダ植物および種子植物は96科328種9亜種35変種4品種5雑種の合計382分類群が採集された。1994年に比べ全体の種数は約30種減少した。帰化率は20%で1994年の調査結果とほぼ変わらなかったが,帰化植物の種組成は大きく変わっていることが明らかになった。The floristic survey was conducted in Asahigaoka Campus and the surrounding area to compare with data collected in 1994. Three hundred and eighty-two taxa were recorded, that included 328 species, 9 subspecies, 35 varieties, 4 forms and 6 hybrids. Compared with the data collected in 1994, the decrease in the number of species was found. The frequency of naturalized plants in 2007 was similar to that in 1995, that were 20.3%. However, the species composition of the naturalized plant was remarkably changed. The three endangered species in Kinki area were recorded again.
- 2009-09-30
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