ヘーゲル『精神現象学』における法則概念
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概要
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科学(学)がその普遍妥当性の基礎としている観察や経験はどのような構造をもっているのだろうか。観察や経験が真理の源泉だとされるならば、味わうこと、嗅ぐこと、触れること、聞くこと、見ることの五感こそがわれわれに真理を提供してくれることになる。だかしかしヘーゲルがすでに「感覚的確信」において述べたように、感覚は「このもの」を意味するにすぎず、何ら積極的普遍妥当性を示すことにはならなかった。観察・経験に基づいた科学が普遍妥当性をもちうるのは、知覚されたものが普遍的な意味をもつからである。それがない限り、科学は普遍性をもちえず、学として成立することもなくなる。では一体観察・経験はどのようなかたちで普遍性をもちうるのか。
- 明治大学教養論集刊行会の論文
- 1992-03-01
著者
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