評価基準を活用したポジショニングの学習成果 : 安楽な体位と判断する評価基準を作成して
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概要
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目的:【安楽な体位と判断する評価基準】を活用したポジショニングの学習成果を,対象者の技術達成度と模擬患者の主観的評価から明らかにすることである。方法:本授業を受講した1年次学生69名のうち,無作為に選抜された7名を対象者とした。模擬患者1名に対する,仰臥位,側臥位,ファーラー位のポジショニング実施状況をビデオに撮影した。文献検討で明らかになった【安楽な体位と判断する評価基準】をもとに,技術達成度を評価した。また,安楽の度合は,質問紙による模擬患者の主観的評価から判断した。結果および考察:対象者が実施したポジショニング回数21回のうち,17回が80%以上の達成状況で,達成度は高かったと判断した。また,模擬患者からの評価も高く,安楽なポジションであったと判断された。しかし,評価基準のうち「良肢位を尊重している」は達成度が低く,知識に裏づけられた技術の実践に到達しているとは言いきれないと判断された。Purpose: The authors conducted positioning classes utilizing evaluation criterions to help students to judge comfortable positions. The purpose of our study is to clarify learning outcomes of the positioning for which "Evaluation Criterions for Judging Comfortable Positions" is used by technical achievements and subjective evaluations of one simulated patient. Method: The authors selected 7 first-year students from 69 of the Division of Nursing who participated in the class randomly. Implementation of positioning for supine position, lateral position and fowler position of one simulated patient were videotaped. Based on "Evaluation Criterions for Judging Comfortable Positions" obtained from a reference discussion, the authors evaluated technical achievements. Furthermore, we judged comfort levels from subjective evaluations of the simulated patient by a questionnaire method. Results and discussion: The subjects performed positioning 21 times. Comfort levels over 80% were obtained in 17 of them and the authors judged that it was high. The evaluation result from the simulated patient was also high and we concluded that they were comfortable positions. However, among the evaluation criterions, the achievement level of "Respect functional position" was low. Therefore, we concluded that they did not reach the practice of the skill based on knowledge about "Respect functional position".
- 2007-10-31
著者
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