天然色素添加人工餌料投与によるアワビ真珠層の着色
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概要
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真珠の品質は,形,色、光沢等より総合的に判定されるが,特に色彩に重きがおかれている。一般に,ピンク系は好まれ,***一系は,低く評価されている。そこで真珠の色彩の発現原因を明らかにし,発色を人工的に制御して好ましい色の真珠を生産する方法を開発しようと試みた。 アコヤガイ員殻の真珠層又は,真珠の色彩は,母貝の個体差の他,漁場の環境条件に影響される(小林,渡辺1959)。又アワビの貝殻外表面の色彩は,摂取する餌の種類によって著しく変化する現象が知られているが(Fox 1972;田島・池森・新崎 1980;他),餌に含まれる色素が,貝殻の殻皮層,稜柱層のみならず,更に真珠層にまで沈着して真珠層の色を変化させるかどうかは明らかにされていない。 著者等は,色素添加人工餌料をアワビに投与することによって,殻皮層の他,真珠層の色彩が変化するかどうかを調べた結果.試験した13種類の天然色索のうち1種類がアワビ真珠層の色彩を変化させる効果を認めたので報告する。Changes in color of the nacre of abalone fed on artificial diets supplemented with natural pigments were investigated for the purpose of producing the pearls with favorite color. About 150 cultured young abalone,Haliotis (Nordotis) discus REEVE weighing 1 to 2 g were fed on test diets supplemented with natural pigments in aquariums with circulating sea water at a temperature of 20℃ for 8 weeks. Among 13 natural pigments, only lina blue A(phycocyanin) changed the color of both outer shell surface and nacre. By using a color and color difference meter (Nippon denshoku,Z-1001DP), L,a,b in color of the abalone nacre were measured and result obtained shows that outer margin part of the nacre of abalone fed on the test diet supplemented with lina blue A is remarkably higher in a and slightly lower in L and b than in those values for inner parts. Appreciable changes in color of the nacre of abalone fed on a test diet lacking in lina blue A were not recognized. These facts indicate that lina blue A is able to deposit not only on the outer shell surface but also on the inner surface of abalone nacre.
- 三重大学水産学部の論文
- 1987-09-30
著者
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