食品としての魚介類の品質に関する研究-2-養殖ブリのミロキサシン経口投与における体内残留
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概要
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我が国の魚介類養殖の発展に従って、発生する種々の疾柄を防御、治療するため多様な水産用薬品が用いられている。その様な薬品が、食品としての魚介類の体内に蓄積した場合、人間におよぼす影響は食品の品質こおいては言うまでもな〈、栄養学上、食品衛生学上重要な問題と言わざるを得ない。本研究は、食品としての魚介類を対象とし、それらの微量汚染物質の体内残留について検討し、前報(上野ら1984)では養殖ウナギのホルマリン薬浴による体内残留について報告した。そこで、本研究では、アユ、ウナギのビブリオ菌感染症の治療薬として用いられるミロキサシンを、試験的に餐殖ブリに経口投与した場合の体内残留および残留期間について、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて検討した。The present work was undertaken to investigate the residue of miloxacin,5,8-dihydro-5-methoxy-8-oxo-2H-1,3-dioxolo(4,5-g) quinoline-7- carboxylic acid, in the tissues of cultured yellowtail,<special>Serioa quinqueradiata</special>, by oral administration.The concentration of miloxacin and its metabolites,M-1,5,8-dihydro-8-oxo-2H-1,3-dioxolo(4,5-g) quinoline-7-carboxylic acid, and M-2,1,4-dihydro-7-hydroxy-1,6-dimethoxy-4-oxoquinoline-3-carboxylic acid, were determined by high performance liquid chromatography. The recovery of miloxacin was 87,83 and 84% from the muscle, liver and blood, respectively. The maximum levels in these tissues were reached within 3 hours after administration of miloxacin at 10 and 40 mg/kg,and no miloxacin could be detected within 3 days following administration.Only one of the metabolites,M-1, was found in these tissues and still remained in the liver for 7 days after administration of miloxacin at 10 and 40 mg/kg.
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