浜名湖で採集されたオウギウロコガイ
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概要
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オウギウロコガイは,ウロコガイ科の新種として波部(1958)により熊本県天草郡苓北町富岡を模式産地として記載された。同時に「殻表に太い放射肋を有し,腹縁が開かないこと」を根拠にGaleommela属が新設された。原記載時に模式産地以外の分布として和歌山県田辺湾があげられ,その採集者の内海富士夫博士に献名されている。和田・他(1996)では「現状不明」とされ生息に関する情報の非常に少ない種で,分布域は東京湾・能登半島以南,瀬戸内海,四国,九州(肥後・後藤,1993)とされているが,具体的な採集報告は和歌山県田辺湾・串本町(三島・三長,2002)以外ない。原記載(波部,1958)を含めて軟体部の形態や生態がほとんど明らかにされていない。静岡県浜名湖の舞阪湾に位置する錨瀬干潟には現在全国的に生息場所や生息数の減少している貴重な内湾性貝類が多く生息している(木村,2006;河辺,2004a,2004b,2005)。筆者らは,オウギウロコガイを2003年4月19日に錨瀬干潟で採集したので,ウロコガイ科の分類学的な特徴として重要な軟体部や貝殻の特徴を記述すると共に同所における生息状況を報告したい。
- 2007-08-31
著者
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