日本本土に分布するトガリユウシオガイ
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概要
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トガリユウシオガイMoerella culter (Hanley,1844)は,日本では沖縄県西表島から最初に生息が報告され(波部,1981),その論文で同時に標準和名が提唱されたニッコウガイ科モモノハナ属の小型種である。本種の分布はフィリピンから海南島にかけて知られており,琉球列島では,西表島,沖縄本島,奄美大島の12カ所で生息が確認されている(名和,2001,2005)。本種が三重県英虞湾にも生息していることは,すでにモモノハナ属の不明種の分類学的検討として口頭発表した(木村・木村,2004)が,トガリユウシオガイはユウシオガイと混同されていたためか,琉球列島以外での分布に関する報告はない。口頭発表後,多くの方々より分布に関する情報を提供いただいた。筆者もユウシオガイと同所的に生息している英虞湾において本種の詳細な生息環境の調査を行った。また,西日本各地においても分布調査を行った。本報告では本種とユウシオガイなど強内湾性のモモノハナ属の近似種との形態的な相違点について解説するとともに,トガリユウシオガイの詳細な分布状況について報告する。
- 2007-08-31
著者
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