ヒトスジシマカ培養細胞クローンC6/36を用いたコダカアカイエカおよびと場豚血液からの日本脳炎ウイルスおよびゲタウイルスの分離,1981年長崎県における成績
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概要
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1981年夏,16,600のコダカアカイエカ雌166プールと,300匹のと場豚血液からのウイルス分離をヒトスジシマカ培養細胞クローンC6/36を用いて実施した.日本脳炎(JE)ウイルスは7月27日採集の蚊材料から最初に分離され9月8日に至るまで合計27プールから分離された.最も多く分離されたのは8月11日採集の材料で20プール中9プールが陽性であった.乳呑マウス脳内接種では合計20プールの蚊からJEウイルスが分離されマウスで陽性のプールはすべてC6/36でも分離陽性であった.と場豚血液からは8月4日採取の30検体中6検体からC6/36を用いてJEウイルスが分離された.豚血清中のJEウイルスに対する血球凝集抑制抗体は8月4日に2メルカプトニタノール感受性抗体が検出され8月18日には30検体中24検体に陽性となったが,以後その検体率は低下した.JEウイルスに対する血球凝集抑制抗体陽性率は8月25日には100%に達し抗体価の幾何平均値も最高となった.ゲタウイルスは7月7日に採取した30のと場豚血液中8検体からC6/36を用いて分離された.ヘパリン化と場豚血液を用いたC6/36によるこれらウイルスの分離にはプラスマ血小板分画が全血およびリンパ球分画よりも適していると思われる.In summer of 1981, virus isolation was performed from 16,600 female Culex tritaeniorhynchus in 166 pools and blood specimens of 300 slaughtered swines using Aedes albopictus clone C6/36 cells. Japanese encephalitis (JE) virus was first isolated from the mosquitoes collected on July 27, and was continuously isolated until September 8, totalling from 27 pools with highest infection rate of 9/20 on August 11. Inoculation to suckling mouse brains, on the other hand, detected JE virus from 20 pools of the mosquitoes. From blood specimens of slaughtered swines collected on August 4, JE virus was isolated by C6/36 cells with isolation rate of 6/30. 2-Mercaptoethanol-sensitive anti-JE virus antibodies were first detected on August 4, with its highest rate on August 18 (24/30). On August 25, all the blood specimens possessed anti-JE antibodies as revealed by the hemagglutination-inhibition test. Getah (GET) virus was isolated from 8 out of 30 swine blood collected on July 7. Concerning the isolation of these viruses from heparinized swine blood, plasma-platelet fraction appeared to be suitable material for inoculation to C6/36 cells.
- 1981-12-30
著者
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