＜原著＞擬音語の復唱による重度聴覚障害幼児の構音評価の試み　：　補聴器装用児と人工内耳装用児における１年間の追跡

概要

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重度聴覚障害幼児の構音評価を目的に､幼児になじみやすい擬音語を利用した構音評価法を試案した｡対象は､3~6歳の補聴器装用児13名(平均聴力レベル93~110dB)と人工内耳装用児8名､計21名であった｡評価手続きは､被検児が復唱した擬音語20語をMDに録音し､後に聴覚的評価を行った｡補聴器装用群･人工内耳装用群ともに､全体的な表出の傾向として､個人差が大きいことが示された｡また､両群ともに表出されやすい音(両唇破裂音･鼻音)と表出されにくい音(歯茎硬口蓋破擦音･摩擦音,軟口蓋音,ハ行の無声摩擦音)は､類似する傾向がみられた｡1年間において､補聴器装用群における正反応率は8.6%上昇した一方､人工内耳装用群における正反応率は22.7%上昇した｡擬音語の復唱を利用した本評価法は､重度聴覚障害幼児の構音評価法として施行可能であり､構音の経時的変化を把握する上で有用と思われた｡
筑波大学心身障害学系の論文