〈資料〉聴覚障害乳幼児における補聴効果の検証手順について　：　インサートイヤホンを使用したvisual reinforcement audiometryの応用

概要

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聴覚障害乳幼児における補聴器適合手順に聴力測定を応用する一手法について､その意義を検討した｡聴覚障害乳幼児37名(0歳10ヶ月~2歳5ヶ月)を対象に､新たな試みとして､①インサートイヤホン装着下のVRA(visual reinforcement audiometry)を施行した｡インサートイヤホンはほぼ全例において装着可能であり､同イヤホンの使用によって､半数以上の被検児の各周波数における反応閾値を､左右の耳ごとに測定できた｡被検児の振り向き反応が保持されれば､再現性のある聴力測定が可能であり､被検児の反応閾値は発達に伴って下降しない傾向が示された｡本手法によって得られた左右別のオージオグラムは､補聴器の特性処方に有用と思われた｡②補聴器装用下のVRAにおいても､左右別の反応閾値の測定が可能であった｡①と②の組み合わせは､聴覚障害乳幼児における補聴効果の検証法として有用であった｡