<原著>確立操作による広汎性発達障害児の課題遂行時の注目・模倣行動の促進 : 好みの導入が及ぼす効果
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概要
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広汎性発達障害を有し、他者への注目・模倣行動が希薄な男児1名を対象として、困難課題の遂行という行動連鎖の設定と(確立操作)、当該課題への好みの導入がこれらの社会的行動に及ぼす効果を検討した。介入期には、ベースラインと同一の課題に対象児の好みのアニメ・キャラクターを導入した。課題間多層ベースライン・デザインを用いて検討した結果、着席指示から対象児が着席するまでの反応時間が減少し、モデルが遂行する課題への注目行動や、その遂行の仕方の模倣行動が増加した。以上から、対象児の好みのアセスメントに基づく確立操作は、課題の遂行過程を示範するモデルへの注目・模倣行動を促進することが確認された。これらを踏まえ、形成した模倣行動の般化を促す要因や、行動の連鎖がより長い事象に対する模倣行動の促進について検討する必要性を論じた。
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