〈資料〉 発達障害児・者の支援における確立操作概念の応用可能性に関する展望
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概要
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Michael(1993)は動機づけとしての働きを持たせるような先行事象を「確立操作」と呼び、その主な機能として、強化子の確立効果と反応の喚起効果を挙げた。本稿では確立操作の一つである推移性CEO(conditioned establishing operation)について、その定義、機能を概観した。その上で、推移性CEOの概念を要求言語行動の形成に適用した先行研究に触れ、従来の技法との主要な違いについて考察した。また、先行研究において、推移性CEOによって喚起された反応が必ずしも要求の機能を持たなかった例を検討し、確立操作の前提条件として、これまで指摘されてきた「課題遂行場面における行動連鎖の成立」の他に、当該課題における対象児者の好みを考慮する必要性を挙げた。以上を踏まえ、今後の課題として、機能的アセスメントによる対象児の好みの査定、およびその結果に基づく確立操作の適用が考えられた。
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